Mungo Thomson, Big American Apples, 2025, lenticular print in artist’s frame, 100.8 x 77.9 x 5.1 cm Photos by Jeff Mclane

マンゴ・トムソン 「Background Materials」

MAKI(天王洲)
11月8日開始

アーティスト

マンゴ・トムソン
このたび MAKI Gallery は、ロサンゼルスを拠点に活動するアーティスト、マンゴ・トムソンの個展「Background Materials」を天王洲ギャラリーで開催いたします。本展は、伊勢丹新宿店での個展「Walking Pictures」およびファッションブランド sacai とのコラボレーションと同時期に行われます。

トムソンは、映像、音、彫刻、写真をはじめとする様々なメディウムを扱います。彼は文化的な記号やアナログな素材を取り入れながら、それらを視覚的かつキネティックで、観る者を没入させる体験へと変換していく作品で知られています。

「Background Materials」の中核となる新作は、トムソンの代表的な映像シリーズ「Time Life」の制作に使用してきた、様々な書籍のページをつなぎ合わせて作られた壁紙のインスタレーションです。「Time Life」シリーズは、ハウツー本や百科事典、製作マニュアルなどを素材とし、それらを映像として再構成するプロジェクトです。壁紙は、オーギュスト・ロダンの画集、フィットネスガイド、生け花の教本、ワインやスピリッツの事典、そしてろうそくのカタログといった、多岐にわたる資料でギャラリースペースを埋め尽くし、独特な空間を演出しています。

「Time Life」シリーズの最新作「Volume 17. Survival Manual」は、本展にて世界初公開となります。本作は、作家の息子で柔術家・ドラマーでもある 15 歳のエミット・トムソン=トライブが所有する柔術の指南書に掲載された一試合の様子を映像化しており、そのサウンドトラックには、エミット自身によるパーカッション演奏が使用されています。

また、本展では、新作のレンチキュラー・プリント(通称「Walking Pictures」シリーズ)も発表されます。レンチキュラーとは、一つの作品に複数のイメージを埋め込むことで、観る者がその前を歩くと画面に “動き” が生じる光学的写真技術です。これらは絵画的でありながら構造的でもあるアート作品の制作に対するトムソンの関心を反映しており、観る者と作品の出会いを通じて、静止したオブジェクトの中に時間の流れを宿らせる試みです。「Walking Pictures」シリーズの題材には、リンゴの品種、カクテルの作り方、運動、陶芸、ロダンの彫刻、生け花の手順、そしてろうそくが燃え尽きる過程などが含まれています。

さらに今回は、トムソンの代表作とも言える TIME ミラーシリーズが複数点展示されると同時に、紙にビニールと反射マイラーフィルムを用いて制作された TIME ミラーの習作が初公開されます。壮大な映像から展示スペース全体を覆う壁紙のインスタレーション、個々に動きを宿すレンチキュラー・プリント、観る者と空間を映し込むミラー作品に至るまで、トムソンは文化的な記号の組み替えと再構成によって、没入的な視覚体験を創り上げています。

マンゴ・トムソンは近年、ウォーカー・アート・センター(ミネソタ州ミネアポリス)、アスペン美術館(コロラド州アスペン)、Karma(ニューヨークおよびロサンゼルス)などで個展を開催しており、MUDAM(ルクセンブルク)、ヒューストン美術館、オレンジカウンティ美術館(カリフォルニア州コスタメサ)などでのグループ展にも参加しています。また、これまでに Pacific Standard Time、イスタンブール・ビエンナーレ、ホイットニー・ビエンナーレ、Performa、Biennial of the Moving Image といった国際的な芸術祭にも出展してきました。トムソンの作品は、フメックス美術館(メキシコシティ)、FRAC Île-de-France(パリ)、ロサンゼルス現代美術館、バークレー美術館とパシフィック・フィルム・アーカイブ(カリフォルニア州バークレー)、ハーシュホーン博物館と彫刻の庭(ワシントンD.C.)、ウォーカー・アート・センター(ミネアポリス)、ヒューストン美術館、ペレス美術館(マイアミ)、ホイットニー美術館(ニューヨーク)をはじめとする、数多くの公共コレクションに収蔵されています。さらに 2025 年には、ニューヨーク映画祭で作品が上映され、グッゲンハイム・フェローを受賞しています。

スケジュール

2025年11月8日(土)〜2025年12月20日(土)

開館情報

時間
11:3019:00
休館日
月曜日、日曜日
入場料無料
会場MAKI(天王洲)
https://www.makigallery.com/ja/
住所〒140-0002 東京都品川区東品川1-33-10 TERRADA Art Complex 1F
アクセスりんかい線天王洲アイル駅B出口より徒歩9分、東京モノレール天王洲アイル駅南口より徒歩10分、京急本線新馬場駅北口より徒歩9分、JR品川駅港南口より都営バス「天王洲橋」下車徒歩4分
電話番号03-6810-4850
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