萩原英雄《藍の幻想(1)》1962年

「版画の魅力 技法の共演」

武蔵野市立吉祥寺美術館
3月1日終了

アーティスト

萩原英雄、浜口陽三
当館では今冬、武蔵野市所蔵の版画作品を紹介する企画展を予定しています。この企画展に先立ち、このたび、浜口陽三記念室・萩原英雄記念室では「版画の魅力 技法の共演」という同テーマで両作家の作品をご紹介いたします。
1953年、重度の結核を患い療養生活を余儀なくされた萩原は、入院の翌年、病院の庭に転がっていたベニヤ板の切れ端を拾い、木版の牛の年賀状を摺り上げます。その年賀状が思いがけず好評を博したことで、萩原は版画と向き合い、本格的に木版画制作の道を歩むことになりますが、制作の根底には油彩の表現という概念がつきまとっていたといいます。油彩のような深い空間表現を版画の平面空間の中でも可能にしようと、より豊かで新鮮な表現を求めて追究し続けました。

《コンポジション》シリーズは、色々な形に切り取ったベニヤ板を様々な方向に接着することで筆触のような効果を生み出しました。《石の花》シリーズでは、意図的に裏面から色や形を浸透させ、それを活かして表面から版を刷り重ねる「両面摺り」をおこなうことで画面に重厚な深みの効果を得ようと試み、《幻想》シリーズには部分的に盛り上げた「きめこみ(エンボス加工)」が組み合わされています。1960年代には凹版化に成功したことで、従来の木版では得られなかった細く自由な線の表現を木版画にもたらし、《お伽の国》《サーカス》《イソップ絵噺》シリーズなど多彩なテーマが生まれました。
既成の枠にとらわれず、独創的で革新的な版画技法で制作された作品の数々をどうぞお楽しみください。

スケジュール

開催中

2025年11月13日(木)〜2026年3月1日(日)あと67日

開館情報

時間
10:0019:30
休館日
12月17日から1月16日、1月28日、2月18日、2月25日は休館
入場料100円
展覧会URLhttps://www.musashino.or.jp/museum/1002006/1003367/1008387.html
会場武蔵野市立吉祥寺美術館
https://www.musashino.or.jp/museum/
住所〒180-0004 東京都武蔵野市吉祥寺本町1-8-16 FFビル7階
アクセスJR中央線・総武線・京王井の頭線吉祥寺駅北口より徒歩3分
電話番号0422-22-0385
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