公開日:2025年10月24日

A-POC ABLE ISSEY MIYAKE×寒川裕人 / ユージーン・スタジオの特別展示がパリで開催中。2色の糸で、光と影の階調を描き出す

「アート・バーゼル・パリ」にあわせて10月24日〜26日に開催。11月には日本でも(撮影:Xin Tahara)

会場風景

「物が存在する時点で持ち合わせる光と影」のイメージに着想

A-POC ABLE ISSEY MIYAKEと寒川裕人 / ユージーン・スタジオのコラボレーションによる特別展示「TYPE-XIV Eugene Studio project by A-POC ABLE ISSEY MIYAKE」が、10月24日〜26日にフランス・パリで行われている。

「アート・バーゼル・パリ」の開催にあわせて行われる本展では、寒川の代表作「Light and shadow inside me」シリーズに着想を得たA-POC ABLE ISSEY MIYAKEの最新プロジェクト「TYPE-XIV Eugene Studio project」を紹介するもの。多角柱状の紙に塗られたインクを太陽光で退色させた絵画や、一枚状の銀塩印画紙を折って制作したフォトグラムなど、同シリーズの作品は柱状や立体化した平面に光が当たることで、絵そのものが作った影が生まれる。「物が存在する時点で持ち合わせる光と影」のイメージが、紙と光によってとらえられている。

会場風景
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「TYPE-XIV Eugene Studio project」では、A-POC ABLE ISSEY MIYAKEがこのプロセスをさらに発展させた。織物の最小単位であるタテ糸とヨコ糸の関係に着目し、白と黒の糸のみを用いて、織組織の密度によって従来の染色や色彩に頼らないグラデーション表現を実現させた。

会場風景

11月から日本でもパリの展示を再構成

展示のインスタレーションは、パリを拠点とする建築家・田根剛 / ATTA- Atelier Tsuyoshi Tane Architectsが担当。光と影、平面と立体が静かに呼応する空間を作り上げた。さらに会場では、制作に使われた道具の展示やワークショップなどを通して、創作のプロセスを紹介する。

会場風景
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なお11月15日から日本でも本展を体験できる。東京・銀座のISSEY MIYAKE GINZA / 445内CUBEと、大阪のISSEY MIYAKE SEMBA | CREATION SPACEで、パリの展示空間を再構成し、寒川の作品とA-POC ABLE ISSEY MIYAKEのテキスタイル、両者が制作した道具を通してプロジェクトの全体像が紹介される。インスタレーションデザインは、パリと同様に田根剛 / ATTA- Atelier Tsuyoshi Tane Architectsが手がける。

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「TYPE-XIV Eugene Studio project by A-POC ABLE ISSEY MIYAKE」

会期:10月24日〜10月25日 11:00-19:00、10月26日 11:00-18:00
会場:40RueVolta,75003 Paris, France
※入場無料(完全予約制)
予約ページ:https://www.isseymiyake.com/blogs/apocable_paris/apocable_exhibition_paris

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