公開日:2025年12月20日

「大カプコン展」がCREATIVE MUSEUM TOKYOで開幕。人気キャラクターになりきる体験型展示や貴重な原画が集結

「大カプコン展 ―世界を魅了するゲームクリエイション」が12月20日から2026年2月22日まで開催中

会場風景 ©︎ CAPCOM

「大カプコン展」が東京で開幕

京橋のCREATIVE MUSEUM TOKYO「大カプコン展 ―世界を魅了するゲームクリエイション」が開幕した。会期は2026年2月22日まで。

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大阪に本社を置き、2023年に40周年を迎えた大手ゲームソフトメーカー「カプコン」。1983年の創業以来、対戦格闘ゲームの歴史を築いてきた『ストリートファイター』シリーズや、サバイバルホラーゲームの金字塔『バイオハザード』シリーズ、社会現象となった『モンスターハンター』シリーズなど、世界的人気タイトルを生み出してきた。大阪中之島美術館、名古屋市美術館、鳥取県立博物館を巡回してきた本展は、ゲーム開発の裏側やゲームクリエイターの情熱に焦点を当て、大阪から世界に向けてその魅力を発信する。

音声ガイドのナビゲーターを務めるのは、『バイオハザード』のレオン・S・ケネディや『デビルメイクライ』のダンテなど、多くのカプコンタイトルのキャラクターを演じてきた森川智之。ファン必見の本展、その見どころを見ていこう。

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人気キャラクターとともにゲーム史を振り返る

本展の見どころのひとつは、歴代人気キャラクターたちが大行進する新作アニメーションだ。会場入口から広がる巨大スクリーンの映像を眺めながら、カプコンの歩みを堪能できる。

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さらに、ゲーム業界とカプコンの歴史を年代順に振り返る「カプコン年表」も登場。懐かしいゲーム機に加え、ゲーム映像やソフトの実物も展示される巨大な年表が、カプコンファンのみならずゲームを愛する観客の目を惹きつける。

会場風景 ©︎ CAPCOM
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会場を進むと、両側には人気キャラクターたちのイラストや設定画などの開発資料、立体造形物が並ぶ。歴代タイトルのパッケージに採用されたイラストの原画や、発売当時に宣伝広告として使用されたポスターの実物も公開されている。

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注目したいのは、キャラクター表情制作技術を体感できるコーナー。鏡を模したモニターの前に座って表情を変えると、それに合わせて『ストリートファイター』『バイオハザード』『モンスターハンター』のキャラクターの表情も変化する。また、タブレット端末を使ってカプコンキャラクターのドット絵づくりを体験できるコーナーも用意されており、完成したドット絵は自身のスマートフォンにダウンロードが可能だ。

会場風景 ©︎ CAPCOM
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ゲームの世界に没入する

架空の世界やキャラクターにリアリティを与えるための「カプコンらしさ」を追求してきたこだわりに迫るエリアも見逃せない。カプコンを代表する人気キャラクターたちが石膏像として登場し、プロジェクションマッピングを駆使して、精緻な3DCG制作の過程やリアルな表現技術を紹介する。

会場風景 ©︎ CAPCOM
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雄大な自然のなかで巨大なモンスターに立ち向かうハンティングアクションゲーム『モンスターハンター』。その世界観を再現したフィールド模型に、プロジェクションマッピングとAR(拡張現実)を組み合わせた「超立体図鑑」では、自然環境の精巧な作り込みや、その環境に適したモンスターの生態がリアルに表現されており、ゲームの世界に入り込んだかのような感覚を味わえる。

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いっぽう、1996年の第1作発売以来、世界的な人気を集める『バイオハザード』シリーズは、サバイバルホラーの世界観を新感覚で体験できるコーナーが用意されている。センサーを壁に向けるとゾンビなどの映像が投影される仕組みで、スリリングなひとときを楽しめる。

会場風景 ©︎ CAPCOM

創業期の貴重な資料から制作の舞台裏へ

ゲーム制作に欠かせないモーションキャプチャーを疑似体験できるコーナーも登場。『ストリートファイター』のリュウ、『逆転裁判』の成歩堂龍一、『ロックマン』のロックマンといったキャラクターになりきることができ、ゲーム制作の一端を体感できる。

会場風景 ©︎ CAPCOM

さらに、これまでに発表された複数のタイトルから、制作過程で描かれた下絵やデザイン案、そして実際に使用された原画を多数展示。これまでほとんど世に出ていない、約40年前のカプコン創業期のタイトル資料も紹介されている。東京会場では新たに『ロックマンX』『ブレス オブ ファイア』『ヴァンパイア』など、貴重な手描きラフスケッチも加わった。

会場風景 ©︎ CAPCOM
会場風景 ©︎ CAPCOM

東京会場のオリジナルグッズにも注目

本展のオリジナルグッズも見逃せない。ゲームの企画書をモチーフにしたクリアファイルや、カプコンのキャラクターになりきったコスチュームキューピー®、さらにはキーホルダーやアクリルスタンドなど、バラエティ豊かなアイテムが揃う。詳細はグッズ記事をチェックしてほしい。

ラバーボールチェーン

灰咲光那(編集部)

灰咲光那(編集部)

はいさき・ありな 「Tokyo Art Beat」編集部。慶應義塾大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。研究分野はアートベース・リサーチ、パフォーマティブ社会学、映像社会学。