「アブダビ・アート」会場風景
フリーズとアブダビ文化観光局の新たなパートナーシップにより、アブダビのアートフェア「アブダビ・アート」が、2026年から「フリーズ・アブダビ(Frieze Abu Dhabi)」として開催される。
これまで17年間にわたって開催されてきた「アブダビ・アート」は、美術館やアーティストのレジデンシー、様々な文化機関などに根差しながら地域文化の重要な拠点となり、世界のコレクターから注目されるアートフェアへと成長してきた。
「フリーズ・アブダビ」への移行は、こうした実績を基盤としてアブダビの長期的な文化ビジョンを強化しながら、フリーズの国際的ネットワークと専門知識を通じてアートフェアの影響力をさらに拡大することを目指している。両者は、文化とクリエイティビティの中心地としてのアブダビの位置付けを強化すると同時に、湾岸地域でもっとも確立されたアートエコシステムにおいてフリーズに独自の地位を築くという共通の目標を掲げている。
フリーズのCEO、サイモン・フォックスは「世界水準の美術館や文化機関、芸術へのコミットメントに裏打ちされたアブダビの文化的リーダーシップが、今回の協働の土台となっている。フリーズのグローバルなプラットフォームと組み合わせることで、アブダビの実績をさらに広く発信しながら、新たな発見の可能性を開き、この地域の芸術的な実践を後押しし、対話と交流の場としてのアートフェアを作り上げていきます」とコメントしている。
第1回の「フリーズ・アブダビ」は、2026年11月にマナラット・アル・サアディヤットで開催。会場は、ルーヴル・アブダビや今後開館予定のグッゲンハイム・アブダビを擁するサアディヤット文化地区に位置する。出展者には、中東および世界の主要ギャラリーが集結する予定だ。
「フリーズ・アブダビ」への移行に伴い、11月19日〜23日にマナラット・アル・サアディヤットで行われる「アブダビ・アート」は、現体制での最後の開催となる。
17回目となる今回は、過去最大規模となる37ヶ国、140超のギャラリーが参加。出展者数は昨年から40%増加し、Pace、Richard Saltoun Gallery、Mennour、Hanart TZ Gallery、ATHR Galleryといった国際的なギャラリーに、Loft Art Gallery、RGR、Pedro Cera、EQTNA Rare Booksなどの初出展が加わる。


グローバルフォーカス部門として、ナイジェリアや湾岸地域、トルコのダイナミックなアートシーンに光を当てるほか、アルジェリア、セネガル、オランダ、ペルー、タンザニアから初参加のギャラリーを迎えている。

また新たに公開されるスペース「Aldar Hall」では、湾岸地域フォーカス部門および西アジア・北アフリカ(WANA)地域のギャラリーを特集する。

2016年から「アブダビ・アート」のディレクターを務めるディアラ・ヌセイベは、今回の開催にあたり「37ヶ国から140を超えるギャラリーが集まるこの充実したラインアップは、UAEのアートマーケットの成熟とアブダビにおけるコレクター層の拡大、そしてクリエイティブ・文化産業への政府主導の積極的な投資が、業界全体が前例のない成長を促進していることを示している」とコメントを寄せている。