2019年にスタートしたルイ・ヴィトンのアーティーカプシーヌ コレクション。ブランドの象徴的なバッグカプシーヌを白いキャンバスに見立て、これまで30組以上の世界中の現代アーティストたちとともに唯一無二の作品を生み出してきた。第7弾として登場するのが、村上隆による全11点の限定コレクションとなる。
村上の創造性と、ルイ・ヴィトンの職人たちが誇るサヴォアフェール(匠の技)が融合した今回のプロジェクトは、ファッションアイテムという枠を超え、まさに“持ち運べるアート”として昇華したラインナップが揃う。素材、技術、構造のすべてに村上の色彩感覚とヴィジュアル言語が落とし込まれ、遊び心あふれる世界観を存分に感じさせる仕上がりとなった。
注目すべきアイテムのひとつがカプシーヌ EW レインボー。クラシックな構造を再構築し、村上の代表作である「レインボー・フラワー」のフォルムを模したバッグは、万華鏡のようなカラフルさで視線を集める。また、カプシーヌ ミニ マッシュルームでは、幻想的なキノコキャラクター約100体を一体ずつ手作業で磨き上げ、シルバーミラーキャンバスに刺繍で取り付けるという緻密な工程で、サイケデリックな世界が表現された。カプシーヌ ミニ テンタクルは、村上の分身として知られるキャラクター「DOB君」をタコに変身させた彫刻作品に着想を得ており、驚きとユーモアを兼ね備えてたデザインに仕上がった。

さらに、カプシーヌ BB ゴールデン ガーデンはレザーマルケトリと金箔によって彩られ、メゾンが培ってきた技の粋を凝縮したような優美な仕上がり。そしてパンダ クラッチは、光沢のあるシルバートーンの真鍮に、6250個のストラスを手作業で配した彫刻的なクラッチバッグで、そのアイコニックな存在感は圧倒的だ。

1960年代に東京で生まれた村上隆は、日本画の伝統技法からSF、アニメ、ポップカルチャーに至るまで、多様な要素を融合した独自のスタイルで知られている。繰り返し登場するキャラクターやモチーフを通じて、ポップと歴史、美術が交錯する世界観を築き上げ、絵画、彫刻、映像など多岐にわたるメディアで国際的に高く評価されてきた。今回のコレクションは、そんな村上のヴィジュアルアートの言語と、ルイ・ヴィトンのクラフツマンシップが交わることで、カプシーヌというバッグの芸術的可能性を再定義するものとなっている。
