会場風景
大阪・国立国際美術館で、戦後の日本美術を代表する作家のひとり、中西夏之の回顧展「中西夏之 緩やかにみつめるためにいつまでも佇む、装置」が開幕した。会期は6月14日まで。
本展は2016年に死去した作家の、関西公立館では没後初となる大規模な展示。この後、山梨県立美術館、セゾン現代美術館、茨城県近代美術館へ巡回する。
中西夏之は1935年東京生まれ。東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻を卒業後、画家として活動を開始する。1960年代前半には既存の美術の在り方を解体する「反芸術」運動に呼応し、高松次郎、赤瀬川原平らとともに「ハイレッド・センター」を結成、都市部でパフォーマンスによる前衛的なイベントを行った。同時期に舞踏家、土方巽との協働で舞台美術を手がけ、身体と空間への関心を深めてゆく。のちに絵画制作を再び本格化させ、目に見えるものを描く具象でも、見えないものや内面を描く抽象でもない、ある種の不安定さと両義性を備えた独創的な絵画を生み出していった。
作家の没後10年となる節目。本展では半世紀以上にわたる制作の軌跡を64点の作品と資料により振り返り、その根底にある画家としての絵画理念と実践に主軸を置いて紹介する。

内覧会に先立ち、担当学芸員の同館主任研究員・福元崇志は、中西の作品が私たちに対して投げかける問いを3つに整理し紹介。「人はなぜ絵画を手がけ、また眺めるのか」「絵画は『どこ』に現れるのか」「絵画は『どのように』現れるのか」。このうえで、作家の制作の核にはつねに「絵画とは何か」を問い続ける姿勢があったと語る。
本展では、問いに絶えず立ち返り、様々なかたちで追究した中西の制作実践を、年代順に4章に分け読み解いてゆく。
