公開日:2025年12月6日

NHK「日曜美術館」放送50年を記念する展覧会が2026年に開催。ピカソ、ベーコン、岡本太郎ら番組を彩った100点以上の“美”が集う

東京藝術大学大学美術館で2026年3月28日~6月21日に開催。静岡、大阪に巡回も

「NHK日曜美術館50年展」プレチラシヴィジュアル

番組に登場した“美”の魅力を伝える展覧会

NHKの美術番組「日曜美術館」の放送50年を記念した展覧会「NHK日曜美術館50年展」が、2026年3月28日~6月21日に東京・上野の東京藝術大学大学美術館で開催される。

1976年に放送を開始したNHK「日曜美術館」。これまでに2500回の放送を超える長寿番組となっている。

本展は同番組が50周年を迎えるにあたり開催されるもの。これまでに番組に登場した“美”の魅力を伝える展覧会となり、番組を彩ってきた数々の名作・名品100点以上を5章に分けて紹介する。さらに、番組出演者の言葉を過去の放送から厳選して上映するほか、高精細映像も組み合わせながら番組の歴史をひもとく。

東京会場の会期終了後は、2026年7月~9月に静岡で開催予定。さらに大阪中之島美術館で2026年10月10日〜12月20日に開催される。

ポール・セザンヌ 水浴 1883-87 大原美術館蔵
石田徹也 飛べなくなった人 1996 静岡県立美術館蔵

全5章で古今東西の名品・名作と番組出演者の言葉を紹介

1976年4月に「私と○○」というタイトルで幕を開けた同番組。第1章「語り継ぐ美 ~時を越えて美を語る言葉・語らせる作品」では、大江健三郎が語るフランシス・ベーコン、舟越保武が伝える松本竣介、モデルとなった矢内原伊作が伝えるアルベルト・ジャコメッティなど、各界の第一線で活躍するゲストの言葉と古今東西の作家・作品を紹介する。

アルベルト・ジャコメッティ ヤナイハラⅠ 1960-61 国立国際美術館蔵 撮影:福永一夫

第2章「日本美の再発見 古代から明治まで」では、番組が届けてきた「美の再発見」をテーマとし、村上隆、大野一雄、井浦新らの言葉で、縄文土器や土偶、伊藤若冲、曾我蕭白、葛飾北斎など、日本美術の名品の魅力を伝える。

曾我蕭白 柳下鬼女図屛風 江戸時代・18世紀 東京藝術大学蔵

工芸の世界にフォーカスする第3章「工芸 伝統と革新」では、正倉院宝物(模造)、松田権六、室瀬和美、森口邦彦、安藤緑山、塩見亮介などを紹介。

第4章「災いと美」では、疫病や自然災害、繰り返される戦争、災禍などに作家が向き合うことで生まれた“美(アート)”の存在を取り上げ、災いと向き合うために美が果たしてきた役割や力を考える。香月泰男、靉光、野見山暁治、石内都らの作品のほか、パブロ・ピカソ《ゲルニカ》を原寸大高精細映像で展示する。

岡本太郎 遭遇 1981 川崎市岡本太郎美術館蔵

そして最終章となる第5章「家の生き様と美 ~アトリエ&創作の現場」では作家のアトリエに着目。岡本太郎、柚木沙弥郎、志村ふくみ、加山又造、李禹煥、舟越桂、諏訪敦、山口晃の作品や、放送時の映像とともに、制作過程で作家が語る言葉も届ける。

柚木沙弥郎 いのちの樹 2018 松本市美術館蔵

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